半身の手足にしびれ痛みは頚に注目

手も脚も具合が悪い方は、結構多く見かけられます。

その中でも右手と右脚腰にしびれ痛みがある方も割に多くいらっしゃいます。

 

普通は、手と足は別々と考えてしまいますが、関連している場合があります。そんな症例を紹介します。

 

53歳女性 レジのパートタイム

主訴:左腕のしびれ

1か月前に寝たときに腕を下にしてしまったせいか左腕がシビレだしました。接骨院に通い始めましたが、一向に良くなりません。実は、その半月前に左脚の股関節の付け根から脚全体が痛くなりました。今は少し治まりした。でも階段を上ると膝が痛みます。

検査をしてみますと

左腕全体の痛覚の減弱、左体幹の痛覚の減弱、左脚全体の痛覚の減弱

左脚の筋力低下 がありました。

つまり左の頸の6番目の神経から脚にかけて痛みの感覚異常が起きているということです。

本人は、感覚異常は腕だけと思っていました。

これは、脊髄から分かれた末梢神経の障害ではなく、脊髄に障害があるために障害がある部分を感覚の信号が通過できないので、障害されている脊髄のレベル以下に感覚障害として痛みを感じにくくなることが起きてしまいます。

頚椎を軽く動かしますと脚に違和感が広がったりなくなったりします。

これは、脊髄を刺激している反応です。

 

脊髄の外側には、脚から感覚を伝える神経線維が通っています。そのため頚の脊髄刺激で脚に違和感が出るのです。

 

早々に脳外科にてMRIを撮ってもらいました。

その結果、頚椎の4番、5番の変形による前彎消失と棘形成により頚髄の圧迫が認められました。

 

頚の6番目の神経(第6頚髄)は、一つ上の頚椎の位置にありますので、第5頚椎を左脚のシビレが少なくなることをモニターしながら動かしていくと、ちょうどシビレが無くなる位置が見つかりました。

この位置でしばらく安定させてあげることで、脊髄に刺激が入らなくなりました。

これを読まれているあなたの症状の原因も頚にあるかもしれませんね。

 

 

 

 

美容院で首から背中を強くもまれてから仙骨部に痛みが出た

Oさん、68歳女性

美容院へ行ってシャンプーをしてもらった後

頸から背中にかけて痛いと思うくらい強くもまれた。

そして最後に背中をポンと叩かれた。

 

その後まもなく、仙骨部に痛みが出現した。

 

実は、その痛みが1か月前にようやく治ったところだった。

Oさんは、その痛みで何年も苦しんでいました。

 

ようやく治った!と喜んだ矢先の出来事でした。

 

Oさんは、頚椎を伸展させると脚の筋肉に力が入らなくなります。

先日書いた、Tさんの状態と同じです。

 

これは、頚椎、胸椎の中の脊髄の問題を表します。

そう考えると、美容師さんもしっかり勉強しておかないと脊損事故を起こしかねませんね。

 

横隔膜と肋間筋の緊張を緩和して

さらにマテリアを塗布して緊張を緩和してあげました。

そのあと、脊柱起立筋の筋紡錘を刺激してあげると背中がすっきりして

仙骨部の痛みも消失していました。

 

以前、エステに行って後頭部をリフトされて頭痛が出てしまった方の話を紹介しましたが、美容師の方は注意が必要ですね。

 

両脚のしびれ痛みは頚椎・胸椎が決め手

良く脚がしびれているというと片脚の場合が多く見られますが

両脚がしびれているという方がいます。

両脚はつらいですね。

 

T子さん、72歳は、5年も前から両脚の後ろがしびれ痛みがあるという。

整形外科で検査を受けたところ

腰椎のレントゲン写真とMRIにて腰椎脊柱管狭窄症と診断されました。

何番目の腰椎の脊柱管なのかはわかりません。

痛み止め、ビタミンB、血流をよくする薬をもらったがほとんど変わらず。

 

5年も治らず先生何とかして~

 

腰椎の狭窄の場合は、馬尾神経といって馬のしっぽのように神経が細いので左右両方の神経が障害されるとは考えにくいですよね。

大脳の血管の問題では、左右差が出ますよね。

左右両方の神経が障害されることに焦点を当てると、馬尾神経になる前の脊髄の状態のところで障害を受けると可能性がありますよね。

 

というところで頚髄のストレステストをしました。

 

頸の屈曲位と伸展位で下肢の筋力検査をすると伸展位で筋力が弱くなります。

これは、頚髄及び上部胸髄に狭窄がある証拠です。

 

やっぱりこのあたりがあやしいかな!?

 

左肩付近から下肢にかけて痛覚の低下があります。

どちらかというと左半身のしびれが強く、左脚はすぐにつてしまうんだそうです。

左肩は第5頚神経領域です。

それ以下の神経が障害を受けているということは、末梢神経ではなく中枢神経の頚髄の問題です。

 

頚椎を触診すると左に凸のゆがみがあります。

胸郭も動きが硬いため頚椎の動きもスムースではありません。

左半身の協調運動も抑制がかかっています。

 

頚椎の動きをスムースにするために胸郭の処置から始めました。

頚椎も胸郭の可動性の回復に合わせて動きを整えます。

 

肋間筋が凄く硬いのでとっておきのマテリアを使いますとかなり緩みやすくなります。不思議なローションです。

 

次第にしびれが出ない時間が増えてきて、足がつることも減ってきました。

先週、3日間全くシビレが出なかったので、1週間施術間隔を開けてみましたが全くシビレが出なかったとのことです。

 

T子さんも大喜びでした。

散歩や自転車にも乗ってみたとのことで、全くしびれ痛みは出なかったそうです。

朝起きたときの腰の痛みもなくなったそうです。

 

両脚に出るシビレは、腰椎にとらわれずに胸椎も考えると解決策が見つかります。

 

5年間何をしていたんでしょう?ということになりますね。

 

今後は、胸郭を固くしない管理が必要になってきます。

もう大丈夫と思わずに健康管理のために通ってください。

 

 

 

腰が痛いのはスノーボードのせいですか?49歳、男性、A.Nさん

主訴

腰痛
以前から度々腰が痛くなります。ひどいのは、年に1、2回。今日仕事をしていたら腰に違和感、次第に腰が伸びなくなってきた。4日前にスノーボードに行ってきたことは関係あるのでしょうか?

既往歴

以前に整形外科のレントゲン写真で椎間板が潰れていると言われた。
19歳の時にバイクで事故に遭った。その時、整形外科で首が曲がっていると言われた。

検査結果

両側内転筋弱下、両側腸腰筋弱下、頚椎屈曲位で下肢の筋力弱下

経過

頚椎屈曲位で下肢の筋力が弱化するということは、頚椎と胸椎の境目で大きく曲げられるために脊髄が締め付けられるということを意味します。その結果、腰及び下肢の筋肉の働きが低下することで腰痛が引き起こされることが考えられます。
A.Nさんは、仕事柄右腕を使うことが多く右腕の筋肉の張りが強く出ていました。右腕の筋肉の張りから右肩が下がり、胸郭上部は次第にねじれた状態を引き起こします。それに加えスノーボードでねじれた姿勢を続けたことで、脊髄を締め付けるほどのねじれ状態にまでなってしまったのであろうと推測ができます。
腰痛といっても原因は様々で直接腰に原因がない場合があります。体の働きのつながりを調べることが大切です。