
昨日、施術中に子供のチックについての相談を受けました。
小学校2年生の長女が、最近ひんぱんに瞬きをするチックが出ているとのことです。
「2年前に弟が生まれて私が弟に目を向けているせいか、長女の目が私を求めていることがよくあります。」
「弟の面倒は、よく見てくれているのですごく助かっているのですが?」
「彼女の心にシワ寄せを作っているのでしょうか?」
子供のチックは、3、4歳から始まり7、8歳でピークを迎えるとされています。
チックに関して医学会では、精神分析の視点からの解釈がされていたものが、
最近では神経の病気(脳機能障害としてドーパミン受容体の関連)が注目されています。
ドーパミン?と思われるでしょう。
では、どんな症状があるんでしょう。
症状は、まばたき(瞬目(しゅんもく))、首振り、顔しかめ、口すぼめ、肩上げなど上位の身体部位によく現れますが、
飛び跳ね、足踏み、足けりなど全身に及ぶ運動性チックといわれるものもあります。
また、咳払い、鼻ならし、叫びや単語を連発する発声チックといわれるものもあります。
どれも自分の意思とは関係なく筋肉が動いてしまうものです。
発声チックも筋肉の動いによって起こっています。
一言で言えば、筋肉の働きの乱れです。
パーキンソンの方も手が震える現象があります。
これも意思とは関係ない不随運動です。
パーキンソンの方は、黒質の変性によるドーパミンの分泌が減少したことによるものです。
ここでもドーパミンです。
実は、人間の筋肉の運動は大脳皮質の運動野から筋肉への随意な指令と
大脳皮質から大脳基底核という調節系を経由して筋肉へ不随意な指令を伝える2つの指令は合わさっています。
随意な指令だけでは、動きがロボットのようなカクカクとした動きに待ってしまいます。
調節系からの指令が加わることで滑から動きになります。
調節系の大脳基底核の働きは、様々なところとや物質と関係しています。
そのひとつが中脳の黒質から分泌されるドーパミンです。
医学会の見解は、
子供の場合、発達の未熟さからドーパミンを受け取る働きがが十分にできていないということ。
しかし、チックが発症するまではきちんと受け取れていたということになりますから
発達の未熟さからだけとは断定することは難しいです。
大脳基底核は、感情や記憶の働きをしている辺縁系との関わりが強いため
精神的なストレスが影響することも考えられます。
精神科のドクターも身体的要因と心因的要因の双方の関わりがあると言っています。
ストレスは、辺縁系から自律神経の中枢の視床下部を刺激します。
その結果、交感神経を興奮させます。
交感神経は脳の血管を収縮させますから
長期に血管の収縮が続くと血流が悪くなり
脳細胞の働きが低下を起こします。
大脳基底核の働きも低下すれば、不随運動が起きることがかん変えられます。
現在、小4の男の子の咳のチックの施術を始めたところです。
交感神経を緩和する刺激を与えると咳が止まります。
これは、先に述べたことを裏付ける現象です。
まだ、一時的ですがホームケアと合わせて続けることで症状の改善が期待できます。
家族と力を合わせれば、良い結果が生まれます。