
39歳女性のKさんは、10年前から歯の痛み・首のだるさ・頭痛・肩こり・顎の筋肉や関節の痛み・めまい・音のこもる感じ・腕や顔のしびれ感・寒気・吐き気・腸の不調・吹き出物など身体上の様々な症状が出て苦しまれていました。
アレルギー反応により食べられるものが、どんどんなくなり体重も30キロ前半まで減ってしまっていました。3月に来院された時には、顔色も悪く、弱々しい感じがする状態でした。
検査では、原始反射が強く出ていました。原始反射は脳幹(延髄・橋)の反射的な働きです。通常は、大脳が育っていない赤ちゃんの時に見られるものですが、脳幹より上位の脳の成長と共に反射はコントロールされて見られなくなります。しかし、ストレスなどによる脳の機能低下がおきると、大人でも一時的に表れてしまいます。
Kさんの場合、脳神経の検査では全く異常反応が出ないというつじつまが合わない状態でした。これは、スイッチングと言って神経回路の混乱を表しています。スイッチングは、一定の刺激をすることで整い脳神経の働きを正常に導いてくれます。
施術では、原始反射がコントロールされるように、脳に対し酸素の供給と血液循環を促し、さらに筋肉と関節の動きのを使って刺激をしていきました。
Kさんは、施術を行うごとに食べられる品目が増えていきました。食べた後の拒否反応による胃腸の不快感の出る回数が減り、徐々に食欲も出てしっかり食べられるようになりました。
食べられることで体力もついて外出が出来るようになり、散歩で汗をかくことで顔の皮膚の感じが良くなり、紫外線による皮膚の炎症も徐々に出なくなりました。
最近は、ひと月に1回程度で来院していますが、今月来院した際に「先生、この歳になっても背が伸びることがありますか?」と突然質問されました。
骨の成長のための細胞分裂は止まっているはずだし、突然変異で細胞分裂を始めたかな?「知人が洋服をあげると持って来てくれた際に、妹と背丈を比べてみたら今まで同じ目の高さだったのが、妹の目が下に見えて、並んでみたら私の方が高いと言われたのです。実際に測ったら1.1cmも伸びていました。体重も3月と比べると6.5キロも増えました。」とのことでした。
骨の成長は考えられないものの背骨を支える体幹の筋力アップと脳の姿勢調節機能のアップで、全部で23枚ある椎間板に掛かる圧力が軽減されたことで椎間板がつぶされなくなった分だけ身長が伸びたのかもしれません。私の施術を受けた方は、施術のあと背が伸びたような感じがすると言われる方が多くいます。これも同じ理由からです。
Kさんは、この状態を維持しているということで素晴らしいことです。さらに体調が向上することでしょう。
突然lineで、
同級生:「大分動けるようになった。」
私:「何の話?」
同級生:「この間MRIを送ったんだけど見ていないの?」
私:「ごめん、携帯のメール見ていない。見ておく。」
「これ珍しいヘルニアだね。いつ手術したの?」
同級生:「1月27日、2時間で終わるところ3時間半かかったって。」
「手術のあと、足の感覚がなくて指が動かない。」
「でも、少し感じるようになってきている。」
というようなやり取りでした。
送れられてきたMRIに写っていたヘルニアは、見てびっくり。
上に向かって椎体の半分まで出っ張っています。
ドクターもさぞ大変な手術であったことでしょう。
恐らくヘルニアをそぎとる際、硬膜内の馬尾神経である第5腰神経以下を押さえ込まれていたのではないかと。
お見舞いに行ったとき、内緒でベットの上で検査してみると、
右足の趾の背屈低下、長短腓骨筋低下、対側性の協調運動低下。
末梢神経だけでなく、脳幹の機能低下も起こしているのが分かります。
やっぱり、手術のストレスは身体に大きいということを感じます。
退院して1週間後に来院してもらいました。
退院してからビリビリする感じが出てきたとのこと。
チネル徴候であれば、治る証拠。
神経の回復には、時間も必要だから。
私の実験台にしばらくなってもらいます。
よろしく。