分からないうちに脚が細くなって 支えられない!71歳、会社役員、S.Hさん

主訴

左太ももの筋肉の筋委縮

既往歴

なし

検査結果

T病院神経内科にて、レントゲン写真撮影、筋電図、血液検査の結果、下部腰椎椎間板がつぶれてきていて神経の出口が狭くなっているとのこと。
当院での検査:左第4,5腰神経領域痛覚過敏、左大腿四頭筋萎縮、左大腿直筋筋力減弱、左大腿四頭筋筋力減弱、左ハムストリング筋筋力減弱、大腰筋筋力減弱、左梨状筋筋力減弱、左外腹斜筋筋力減弱、右内腹斜筋筋力減弱

経過

S.Hさんは、2年近く前から両側の脛がひりひりするようになり気になっていましたが、強い痛みがなかったのでほっといたら、1か月前に歩いていて2回続けて転んでしまいました。ちょうど人間ドックがあり先生に話をすると左脚の筋肉が萎縮して細くなっているので、神経内科で診てもらうようにと指示されたということでした。
筋肉が萎縮するという特徴は、末梢神経障害をさしています。病院の検査通り腰椎の末梢神経出口で圧迫されたとしたらもっと強い痛みシビレを感じてもよさそうですが、あまり痛みがなかったということです。さらに筋肉の障害も広範囲にありますので、メカニズム的につじつまが合いません。
さらに問診を進めると1年半前に旅行先で腰が痛くなり整体で診てもらうと靴の踵が減りすぎているのが良くないと言われたのを思い出しました。
足を調べてみますと踵の骨が外側に倒れていてそれに引っ張られるように脛の骨が外へ回された状態になっていました。踵と脛の骨の位置と動きを整えると過敏だった感覚が回復に向かいました。いったん委縮してしまった筋肉は、すぐには太くなりませんが筋力がアップし、最近は転ぶこともなくなり階段も登りやすくなってきました。少しずつの変化は自分ではわからないものです。定期的なカイロプラクティックのチェックをお勧めします。

頚椎椎間板ヘルニアかと思ったらヘルペス

今年は、昨日で仕事納でした。

今年も多くの方に来院していただき、誠にありがとうございました。

今年最後の臨床紹介です。

昨日来院されたM.Mさんの例です。

M.Mさんは、2週間前に右腕が上がらないと来院されました。

整形外科で頚椎の椎間板ヘルニアと診断されていました。

右首から肩へのつっぱりがあり、

痛み止めをもらって飲んでいましたが良くならず、

別の痛み止めをもらって飲み始めましたが、

ツッパリが取れるどころか、

腕が上がらなくなってきたとのことでした。

上腕二頭筋の筋力低下があるものの、痛みしびれはありません。

末梢神経障害では、感覚障害が起こりますが、

ありません。

筋トーンが低下し、右腕が鉛のような重さ。

ムッ、ちょっとおかしいな?

最近、脳梗塞や硬膜外出血の症例があり、

嫌な予感。

ブレインアラームセラピーで、

左の交感神経と右の副交感神経の刺激をすると、

すぐに筋力アップで、右腕が軽く動かせる。

しかし、1、2分もすると鉛のような重さ。

これを繰り返すので、血管障害の可能性も!

危険性がある場合は、「ドクターに」が鉄則。

脳神経内科の受診を指示。

昨日、来院されたM.Mさんの報告によりますと。

すぐに脳神経内科を受診。

脳血管には問題ないが、右肩に赤い発疹が2つ。

これは、ヘルペスでしょうとの診断。

すぐに大学病院を紹介され受診。

鎮痛剤がヘルペスウイルスの働きを活性化させることがあるとのことで

危険な場合があるとのことで入院を進められるが、

通院を希望。

幸いにもウイルスに対する薬を処方され

1週間で、回復。

私の判断の脳血管の問題ではなかったものの危険な状態であった。

判断は違ったものの我々の範疇であるかを見極めることが大事。

ヘルペスウイルスが、上腕二頭筋への神経に感染したということです。

ちょっと特異な症例かもしれませんが、大事な症例ですね。