
良く脚がしびれているというと片脚の場合が多く見られますが
両脚がしびれているという方がいます。
両脚はつらいですね。
T子さん、72歳は、5年も前から両脚の後ろがしびれ痛みがあるという。
整形外科で検査を受けたところ
腰椎のレントゲン写真とMRIにて腰椎脊柱管狭窄症と診断されました。
何番目の腰椎の脊柱管なのかはわかりません。
痛み止め、ビタミンB、血流をよくする薬をもらったがほとんど変わらず。
5年も治らず先生何とかして~
腰椎の狭窄の場合は、馬尾神経といって馬のしっぽのように神経が細いので左右両方の神経が障害されるとは考えにくいですよね。
大脳の血管の問題では、左右差が出ますよね。
左右両方の神経が障害されることに焦点を当てると、馬尾神経になる前の脊髄の状態のところで障害を受けると可能性がありますよね。
というところで頚髄のストレステストをしました。
頸の屈曲位と伸展位で下肢の筋力検査をすると伸展位で筋力が弱くなります。
これは、頚髄及び上部胸髄に狭窄がある証拠です。
やっぱりこのあたりがあやしいかな!?
左肩付近から下肢にかけて痛覚の低下があります。
どちらかというと左半身のしびれが強く、左脚はすぐにつてしまうんだそうです。
左肩は第5頚神経領域です。
それ以下の神経が障害を受けているということは、末梢神経ではなく中枢神経の頚髄の問題です。
頚椎を触診すると左に凸のゆがみがあります。
胸郭も動きが硬いため頚椎の動きもスムースではありません。
左半身の協調運動も抑制がかかっています。
頚椎の動きをスムースにするために胸郭の処置から始めました。
頚椎も胸郭の可動性の回復に合わせて動きを整えます。
肋間筋が凄く硬いのでとっておきのマテリアを使いますとかなり緩みやすくなります。不思議なローションです。
次第にしびれが出ない時間が増えてきて、足がつることも減ってきました。
先週、3日間全くシビレが出なかったので、1週間施術間隔を開けてみましたが全くシビレが出なかったとのことです。
T子さんも大喜びでした。
散歩や自転車にも乗ってみたとのことで、全くしびれ痛みは出なかったそうです。
朝起きたときの腰の痛みもなくなったそうです。
両脚に出るシビレは、腰椎にとらわれずに胸椎も考えると解決策が見つかります。
5年間何をしていたんでしょう?ということになりますね。
今後は、胸郭を固くしない管理が必要になってきます。
もう大丈夫と思わずに健康管理のために通ってください。
突然lineで、
同級生:「大分動けるようになった。」
私:「何の話?」
同級生:「この間MRIを送ったんだけど見ていないの?」
私:「ごめん、携帯のメール見ていない。見ておく。」
「これ珍しいヘルニアだね。いつ手術したの?」
同級生:「1月27日、2時間で終わるところ3時間半かかったって。」
「手術のあと、足の感覚がなくて指が動かない。」
「でも、少し感じるようになってきている。」
というようなやり取りでした。
送れられてきたMRIに写っていたヘルニアは、見てびっくり。
上に向かって椎体の半分まで出っ張っています。
ドクターもさぞ大変な手術であったことでしょう。
恐らくヘルニアをそぎとる際、硬膜内の馬尾神経である第5腰神経以下を押さえ込まれていたのではないかと。
お見舞いに行ったとき、内緒でベットの上で検査してみると、
右足の趾の背屈低下、長短腓骨筋低下、対側性の協調運動低下。
末梢神経だけでなく、脳幹の機能低下も起こしているのが分かります。
やっぱり、手術のストレスは身体に大きいということを感じます。
退院して1週間後に来院してもらいました。
退院してからビリビリする感じが出てきたとのこと。
チネル徴候であれば、治る証拠。
神経の回復には、時間も必要だから。
私の実験台にしばらくなってもらいます。
よろしく。