
生後5か月くらいになると赤ちゃんは好奇心のおもむくまま、自分の気になる物などに手を伸ばして、触ったり、つかんだり、口に入れたがったりするようになります。
親は、「飲み込んだら危険」と思い奪い取ってしまったり、「汚い」と思いあらかじめ舐めそうなものを消毒したりしていると思います。
確かに、飲み込んでしまうと危険な場合がありますので、直径38ミリ以下の物は気を付けたほうが良いとのことです。
赤ちゃんは,まだ感覚がすべて発達していません。
神経発達から見ると「味」、「触り心地」、「噛んだ感じ」を調べるためと言われています。
さらに大事なこととして、「腸内細菌を増やす」ためです。
生まれたばかりのパンダの赤ちゃんは、土をなめたりお母さんのうんちをなめたりしています。
これは、笹を消化してくれる腸内細菌を増やすためです。
人間の子どもも、なめたり口に入れることで生活環境に存在している土壌菌をはじめとした様々な菌を取り入れることで、生きるために必要な腸内細菌を増やしています。
しかし、汚いからといって全ての物をアルコール消毒しがちです。
公園でも「砂場は、猫の糞があるかもしれないので汚いから遊ばせない」人もいるようです。
確かに命に係わる破傷風菌がいますが、予防接種で防ぐことが出来ます。
土壌には、子どもの免疫力や腸の働きに必要な菌が沢山います。
生まれたての赤ちゃんは無菌状態ですが、初乳を飲むことから始まり、様々な人や物、食べ物、土などの自然に触れることで菌を獲得していきますが、獲得する菌の種類は人によって違います。
赤ちゃんの腸内フローラは、生後1歳半でほぼ9割が決まってしまい、これが生涯の腸の土台となります。
3歳までは、腸内細菌の獲得活動は続きますが、それ以降は菌の種類は増えることはありません。
物を口に入れる行為は、味覚や触覚の発達によってなくなります。
赤ちゃんの腸内細菌の種類を増やすための行為を見守ってください。
参考図書:藤田紘一郎著「脳はバカ、腸はかしこい」