大丈夫?子供のカラダ4

大丈夫?子供のカラダ

5.規則正しい生活で、正しい骨の生まれ変わりを

骨は成長している間にも、作り換えを繰り返しています。作り換えをして新しくするために、古くなった部分を溶かす骨吸収という働きと、その後に新しい骨を作っていく骨形成という働きが行われています。この2つの働きを調節しているのが、ホルモンと呼ばれるものです。このホルモンは働きによって2つに分かれます。
1つは、骨吸収と骨形成をいつも釣り合うようにして、活発に作り換えをさせているホルモンです。このホルモンは、副甲状腺ホルモンと、活性型ビタミンDです。
もう1つは、骨吸収をするための破骨細胞というものが、生まれることを抑える働きをしているホルモンです。このホルモンは、甲状腺ホルモンと性ホルモンです。性ホルモンには、女性ホルモンと男性ホルモンがあります。成長期や思春期には、成長ホルモンの働きが大きくなるために、骨吸収より骨形成の働きが上回ります。そのために骨は大きくなり丈夫になります。したがって、子どもの成長においては、規則正しいリズムの生活習慣を作り、性ホルモンの働きやすい環境を作ることが大切になります。

6.骨を強くする成長の仕方を考える

img01物を持つと、物に重力が働いているので、重さを感じます。骨は、この重力に耐えなくては折れてしまいます。そのため重力に耐えられるように骨形成を行います。物を持たなくても、脚を上げることでも腿の骨には重力がかかります。ということは、運動をすれば、骨には重力が働くということなのです。つまり運動をすればするほど、その重力に耐えられるように骨形成が盛んになり、丈夫になるというわけです。宇宙飛行士は、宇宙空間で無重力の状態になるため、逆に骨形成が抑えられて、結果 的に骨吸収が上回ってしまいます。そのため長時間滞在することはできません。骨は、適度な力をかけていないと成長しないのです。
しかし片寄った力がかかることは、良くありません。よく、突き指をしたらだんだん指が曲がってしまったということがあります。骨が縦に長くなるのは、骨の先端部分の軟骨が成長をしていくからです。速く硬い骨になってしまうと丈夫にはなりますが伸びることはなくなります。骨の先端部の骨化が、年齢がたってから始まるのはこのためです。この先端部分に、適度の力がかかっているとどんどん成長をしていきますが、ボールが指に当たるなどすると、その部分の軟骨の細胞を痛めてしまうために、骨形成の速度が遅くなります。そのために、関節部分の内側と外側の骨の長さに違いが出てしまいます。その結果、関節のところで指が曲がってしまうのです。
また、股関節の部分でもよく成長の仕方の片寄りがおこります。横座りをすることによって片寄った力を受け続けるために、成長する部分が違ってしまい、左右の骨の形が変わってしまいます。そして側の股関節が、開かなくなったり、強い痛みをおこしたりします。
また、軟骨の成長が活発な時期の筋力トレーニングは、筋肉が骨に付いている部分の損傷をおこしたり、筋肉で骨が引っぱられて、変形をおこしたりします。
したがって、中学生までは、無理な筋力トレーニングは避けるべきです。