愚かなる独裁者へのガンジーの手紙

現在進行形でプーチン大統領の独裁的な指揮によりウクライナを攻撃し、軍事施設のみならず町を破壊しています。これは、国連憲章違反で常任理事国としてあるまじき行為です。第二次世界大戦のヒトラーを思い出させます。

インドのガンジーの著書『わたしの非暴力』の中に1941年のクリスマス週間にヒトラー宛に書いた手紙があります。残念ながらインド政府の許可が得られずヒトラーには届きませんでしたが、プーチンにも読んでもらいたい内容ですので、皆様にご紹介いたします。

「親愛なる友     

 私があなたを『友』とお呼びするのは、儀礼上奏するのではありません。私は敵を持ちません。私の人生の使命は、過去三十三年の間、民族や肌の色や主義の相違を超えて、人類を友とすることによって、全人類の友情を得ることでありました。

 あの『世界的な友愛の教義』 の影響のもとに、生活している人類の相当数の人々が、あなたの行動をどのように見ているか、それを知る時間のゆとりと、知ろうとする要求をお持ちくださるよう念願しています。わたしたちは、あなたの勇気と、祖国への献身については信じて疑いません。またあなたが、あなたの敵たちが言うような怪物だとは考えていません。けれども、あなたご自身のお書きになった文章や発言からあなたがたの行動の多くが人間の尊厳に反する恐るべきものであることは疑う余地はありません。

(中略)非暴力の技術には、敗北などというものはありません。それはすべからく、相手を殺したり傷つけたりすることなく、『行動するか、死ぬか』です。この方法は事実上、金を使わずに用いることが出来ます。また言うまでもなく、あなたがあれほどまでに完全なものにされた科学の破壊力の助けを借りることなく、採用することが出来ます。

 科学の破壊力は、誰の独占物でもないということに、あなたがお気づきにならにというのは、私には驚くべきことに思われます。それがイギリス人でないまでも、どこかほかの国がきっとあなたの手段に改良を加えてあなた自身の武器をもってあなたを打ち破ることになるでしょう。あなたは国民に、彼らが誇りに思うような遺産をお残しになることはできないでしょう。国民は、それがどんなに巧妙に計画されているにしても、残虐行為の独演会には誇りを持つことはできません。

 それゆえにわたしは、人類の名において、戦争をやめるようにあなたにお願い申します。あなたh、大英帝国とのすべての争点を、双方の連帯責任において選出した国際裁判所に付託することによって、何も失わずにすむでしょう。あなたが戦争で勝利を収めたといたしましても、それは、あなたが正しかったということではありません。それはただ、あなたの破壊力が大きかったというだけのことです。

(中略)あなた個人にとっては何の意味を持たないかもしれませんが、ヨーロッパの民衆にとっては非常な意味を持つ、ひと時の平和の為に努力してくださるようあなたにお願いするのは無駄なことでしょうか?わたしには、物言わぬ民衆の平和を求める叫びが聞こえます。なぜなら私の耳は、物言わぬ民衆の声を聴くべく波長に合わせているからです。」

戦争なき世界が訪れますように、また犠牲になった方々の魂が安らかに眠られんことをお祈りいたします。